このページで分かること
診断で使っている式と採用値を,根拠資料までたどれる形で確認できます.
診断は,太陽光のみ,または太陽光+標準蓄電池を新設する場合の比較を対象とします.既設太陽光への蓄電池後付け,蓄電池単体の導入および運転モードの変更は対象外です.
表示する利益は,都道府県別の代表値を用いた概算であり,個別住宅の現地調査や正式見積もりを置き換えるものではありません.
計算式
30年間の収支は,各年に想定する名目額を単純に合計し,現在価値へ割り引きません.
以下の「各年」は設置後1~30年目を指します.金額と電力量は,計算途中では丸めず,画面に表示するときに四捨五入します.30年間の収入総額は計算結果として返された値を表示し,四捨五入後の内訳から足し直しません.診断結果の金額は原則1,000円単位,グラフ・要約の万円表示は1万円単位です.入力電気代と非現金特典の公式円相当額は,この丸めの対象外です.
年間発電量
年間発電量(式 (1))=設備容量×都道府県別の1 kW当たり年間発電量×屋根方位補正×各年の発電係数(式 (1a))
設置年を1年目とする年数を y=1,…,30と定義します.各年の発電係数は0.997y−1(式 (1a))です.初年度は係数1で追加の初年度補正を行わず,翌年以降は年0.3%ずつ低下させます.各年の8760時間の発電量へ適用し,直接自家消費,売電および蓄電池充電を毎年再計算します.
年間電力使用量
年間電力使用量(式 (2))=月間電気料金×12÷地域別の代表買電単価
月間電気料金が未入力の場合だけ,「戸建て・4人以上世帯の地域平均(令和5年度)」を使用します.関東甲信の初期値は15,467円/月です.画面で手入力した値またはURLのmonthlyElectricityBillがある場合は,その値を優先します.
時間別の需要量と発電量
時間別の需要量・発電量(式 (3))=年間電力使用量(式 (2))×時間別の需要配分比率,年間発電量(式 (1))×時間別の発電配分比率
需要配分は,平日昼間の在宅状況を反映した標準住宅の8760時間需要から作ります.時間区分を t=1,…,8760,総和を取る時間区分の添字を s,診断開始前に利用者が選ぶ平日昼間在宅率を h(0以上1以下),公開データに収録した標準需要と平日在宅相当需要をそれぞれ qt標準,qt在宅と定義します.在宅率反映後の需要は qt(h)=(1−h)qt標準+hqt在宅(式 (3a)),需要配分比率は wt(h)=qt(h)÷Σs=18760qs(h)(式 (3b))です.発電配分は,診断開始前に選ぶ屋根方位に対応する8760時間日射量を同様に正規化します.
年間自家消費量と標準蓄電池
年間直接自家消費量(式 (4))=各時間の需要量(式 (3))と発電量(式 (3))のうち小さい値を8760時間分合計
太陽光のみでは,式 (4) を年間自家消費量とします.太陽光+標準蓄電池では,直接自家消費後の太陽光余剰だけを充電し,同じ時間の需要不足へ放電します.経済的な年間自家消費量は,式 (4) と,充放電損失後に蓄電池から家庭へ供給された電力量の合計です.系統からの充電は行わず,充放電の出力上限は設定しません.
使用可能容量(式 (5))=選択した初期容量(kWh)×選択した劣化仮定の年間容量保持係数の設置後年数乗
初期容量と劣化仮定は計算前に選択します.年間容量保持係数は,既定の保守的パスでは0.60の15分の1乗,条件付き比較では0.70または0.85の20分の1乗です.式 (5) の設置後年数は1~30で,各年の年末容量をその年の8760時間の計算へ適用します.劣化仮定を変えると,蓄電池の供給量,自家消費,売電および収支も再計算します.
標準蓄電池は,30年間交換せず使用する前提です.各年の使用可能容量は式 (5) で低下し,年末の充電残量(電池内の残存電力量)は翌年の年初へ引き継ぎ,翌年の容量上限を超える分だけ切り詰めます.年初に満充電へ戻す処理は行いません.既定の保守的パスは20年末に約50.6%,30年末に36%となります.15年後60%は容量保証の下限を用いた保守的な感度パスであり,平均的な実測劣化ではありません.16~30年目は同じ年間保持係数を延長する数学的外挿であり,実測値でもメーカー保証でもありません.15年目から16年目にも容量や充電残量をリセットしません.30年間交換しない取扱いは診断上のモデル仮定であり,製品の30年寿命または保証を確認した事実ではありません.
20年末70%・85%は20年時点の定義を維持したまま同じ年間容量保持係数で30年目まで延長する条件付き比較仮定であり,標準期待値,製品保証または研究で同定された平均ではありません.温度・充放電条件と劣化の関係を調べたLFPセルの保存試験と,家庭用システムの稼働研究は,そのまま家庭用設備の20年保持率を保証するものではありません.電気料金・補助金の下振れ/標準/上振れとは別に比較します.
公称容量は電池の名目容量,実効容量は製品が定める初期の使用範囲です.診断の使用可能容量は,初期容量へ式 (5) の保持係数を適用した各年の計算値であり,実機で取り出せる電力量は充放電効率,保護制御,残量および運転モードにも左右されます.出力は同時に供給できる電力の大きさで,容量とは別です.容量保証の下限,保証期間,想定使用期間およびサイクル期待寿命も同一視しません.メーカーのサイクル期待寿命は所定条件による期待値であり,保証値ではありません(オムロン ソーシアルソリューションズ,2026a,b).
停電参考線は,家電側の交流(AC)電力量0.9043979452 kWhに,設備自身のAC換算消費0.72 kWhを加え,片道放電効率√0.9(約94.87%)で割った放電損失前容量約1.7 kWhです.往復効率90%を片道効率として用いず,満充電からの放電へ充電損失を再適用しません.満充電・停電中の残量下限0・太陽光補充なしを仮定した限定負荷の参考値であり,通常の収支計算の開始残量を満充電に変えるものではありません.負荷の内訳,一次資料と停電時の制約を確認してください.
冷蔵庫は年間263 kWhの仕様値を365日で割った代理値,照明は7.3 Wの電球の例です.スマホは5,000 mAhの機種を参考とし,電圧3.85 V・充電効率80%は計算上の仮定です.補機30 Wはメーカーの待機電力の説明を参考にした例示で,停電放電中の実測値ではありません.
自家消費率と自給率
自家消費率(式 (6))=(直接自家消費量(式 (4))+損失後蓄電池供給量)÷年間発電量(式 (1)),自給率(式 (6))=(直接自家消費量(式 (4))+損失後蓄電池供給量)÷年間電力使用量(式 (2))
年間売電量と年間買電量
年間売電量・年間買電量(式 (7))=年間発電量(式 (1))−直接自家消費量(式 (4))−蓄電池充電量,年間電力使用量(式 (2))−直接自家消費量(式 (4))−損失後蓄電池供給量
各年の電気料金削減
各年の電気料金削減(式 (8))=経済的な年間自家消費量×各年の買電単価
各年の売電収入
各年の売電収入(式 (9))=年間売電量(式 (7))×各年の売電単価
実質初期負担
実質初期負担(式 (10))=太陽光の導入費用+選択した場合の標準蓄電池導入費用−利用できる補助金
各年の収支
各年の収支(式 (11))=各年の電気料金削減(式 (8))+各年の売電収入(式 (9))−各年の点検費−各年の交換費
各年末の累積損益
各年末の累積損益(式 (12))=−実質初期負担(式 (10))+その年までの各年の収支(式 (11))の合計
30年間の正味利益
30年間の正味利益(式 (13))=30年目末の累積損益(式 (12))
回収年
回収年(式 (14))=累積損益(式 (12))が0円以上となり,その後30年目まで0円未満へ戻らない最初の年
該当する年がなければ「30年以内の回収は見込めません」と表示します.後年の点検・交換費で再びマイナスになる一時的な交点は,回収年に含めません.
採用パラメータ
| 項目 | 採用値・単位 | 適用期間・条件 | 出典・設定理由 |
|---|---|---|---|
| 計算期間 | 30年間 | 設置年を1年目とする | 診断上の設定 |
| 設備選択 | 太陽光のみ,または太陽光+蓄電池(容量を選択,初期値9.5 kWh) | 未選択時は太陽光のみ | 診断上の選択範囲 |
| 設備容量 | 初期値4 kW | 利用者が診断画面で3~6 kWから選択 | 診断上の選択範囲 |
| 1 kW当たり年間発電量 | 956.8037~1,318.1245 kWh/kW・年 | 47都道府県の庁舎所在1 kmメッシュ,南向き・傾斜角30度 | (NEDO MONSOLA-20,2010~2018年;共通係数0.73は診断上の採用仮定) |
| 屋根方位補正 | 南1.00,南東・南西0.96,東西・不明0.85 | 年間発電量へ適用 | (太陽光発電協会,年不明a;ファナス,年不明) |
| 月間電気料金の初期値 | 13,167~18,475円/月 関東甲信15,467円/月 | 未入力時だけ,戸建て・4人以上世帯の地域平均(令和5年度)を使用 | (環境省,2025) |
| 代表買電単価 | 25.05~32.86円/kWh | 地域別,消費税込み,2023年度実績 | (資源エネルギー庁,2024a,b) |
| 参考:従量電灯B | 29.80円,36.40円,40.49円/kWh 30 A基本料金935.25円/月 | 東京電力エナジーパートナーの契約例.40.49円は300 kWh超過分だけに適用し,診断の全使用量へ一律に掛けない | (東京電力エナジーパートナー,2026a) |
| 2026年度再エネ賦課金 | 4.18円/kWh | 2026年5月検針分~2027年4月検針分 | (経済産業省,2026) |
| 自家消費モデル | 8760時間の需要・発電重複 | 各時間で需要量と発電量の小さい方を自家消費 | (建築研究所,2026;NEDO,年不明;エネルギー・資源学会,2025) |
| 既存住宅の導入費用 | 331,100円/kW | モデル上の税込採用値.原典の税区分は未確認 | (調達価格等算定委員会,2026a;診断上の採用仮定) |
| 新築住宅の導入費用 | 317,900円/kW | 28.9万円/kWへ消費税10%を仮置き | (太陽光発電協会,年不明d;診断上の採用仮定) |
| 太陽光の発電劣化 | 年0.3%,初年度係数1 | 式 (1a) を各年の8760時間へ適用 | (NREL,2024;診断上の採用仮定) |
| 標準蓄電池導入費用 | 1,149,500円 | 9.5 kWh,設備費・工事費込み | (資源エネルギー庁,2025) |
| 標準蓄電池の容量劣化 | 既定:15年末60%,20年末約50.6%,30年末36% 条件付き比較:20年末70%・85% | 既定は保証下限を用いた保守的感度パスで,16~30年目は数学的外挿.70%・85%は条件付き比較仮定で,平均・保証ではなく,20年終点の定義のまま30年へ延長 | (資源エネルギー庁,2021;診断上の設定) |
| 標準蓄電池交換費 | 0円 | 30年間の評価期間内は交換しない | 診断上のモデル仮定 |
| 補助金 | 国,都道府県,対応済み市区町村の公的制度 | 標準的な申請条件を満たす前提で金額を算定できる制度を反映し,重要条件と併用可否は別に扱う | (環境省,2026) |
| FIT売電単価 | 1~4年目:24円/kWh 5~10年目:8.3円/kWh | 2025年度下半期・2026年度認定,住宅用10 kW未満,調達期間10年間 | (経済産業省,2026) |
| FIT終了後の売電単価 | 8.50円/kWh | 11~30年目に置く東京電力エナジーパートナーの地域・契約条件付き例.全国共通価格ではない | (東京電力エナジーパートナー,2026b) |
| 定期点検費 | 38,000円/回 | 5,10,15,20,25,30年目.5年ごとの点検を置くサービス評価仮定 | (調達価格等算定委員会,2026) |
| パワーコンディショナ交換費 | 384,000円/回 | 20年目.30年間の評価で20年目に1回だけ置くサービス評価仮定 | (調達価格等算定委員会,2026) |
年間発電量の算定:NEDO MONSOLA-20の2010~2018年データを使い,47都道府県の庁舎所在1 kmメッシュについて,南向き・傾斜角30度の各月の日平均日射量に平年の月日数を掛けて12か月分を合計します.この年間日射量(kWh/m²・年)を基準日射強度1 kW/m²で割り,共通係数0.73を掛けた値が,式 (1) の1 kW当たり年間発電量です(式 (1b)).0.73はサービス共通の採用仮定であり,実測全国平均でも発電量保証でもありません.年次劣化の式 (1a),屋根方位補正および式 (3) の時間配分は別に適用します.
導入費用の採用仮定:JPEAが示す2025年の10 kW未満・新築設置のシステム費用は平均28.9万円/kWです.原典の税区分は未確認のため,診断では消費税10%を仮置きして317,900円/kWとします.これは採用仮定であり,原典の税込価格を確認した値ではありません.既存住宅は331,100円/kWをモデル上の税込採用値として用いますが,こちらも原典の税区分は未確認です.
発電劣化の根拠と採用仮定:NRELの2024年報告では,特定のQCells multi-PERCモジュールの年劣化率が約0.3%で,低下は初年度へ集中しています.全国平均でも30年間の実測結果でもありません.診断の式 (1a) はこの数値を参考に初年度補正なしで翌年以降へ均等に適用する採用仮定であり,観測経路そのものの再現ではありません.Huasunの初年1%・以後年0.3%を用いる出力保証条件とも別モデルであり,保証値を実測劣化率とは扱いません.
維持費の採用範囲:点検3.8万円/回とパワーコンディショナ交換38.4万円/回は,経済産業省の2026年資料にある住宅用5 kW設備の業界ヒアリング値です.原資料の頻度は定期点検が3~5年ごとに1回程度,パワーコンディショナ交換が20年間に1回です.個別見積額または製品保証価格ではなく,税区分は未確認です.目視・動作確認・簡易電圧測定を標準範囲とし,足場,特殊測定,洗浄および修理・部品交換は含めません.5年ごとの点検と20年目の交換は診断上のサービス評価仮定であり,資料自体は交換年を20年目と定めていません.
補助金の反映範囲:都道府県制度は2026年9月18日の全国監査結果を反映しています.国・市区町村制度の確認日と対象範囲は制度別の記録に従います.全国監査は限定した公式導線の調査であり,全制度の網羅確認ではありません.標準・上振れでは,選択地域に居住し対象住宅を所有すること,未使用設備を期限内に申請すること,受付中の予算が残ることを標準条件として満たす前提で,算定可能な制度を反映します.
入力にない適格条件:町丁目,住宅性能・断熱条件,特定の電力契約,指定施工業者,所得等の入力項目にない条件は,充足すると仮定して条件付きの概算へ算入します.制度ごとの公式条件は注意事項に保持し,利用者が条件を満たすと確認済みであることや,受給の保証を意味しません.
算入しない場合:算式や円相当額を確定できない制度,現行診断の対象外となる別工事が必須の制度,入力した住宅区分・設備・容量が対象条件に合わない制度等は算入しません.非FIT・非FIPが必須の制度を,FIT売電を前提とする収支へ加算することもありません.未確定と対象外を区別し,制度欄に理由を示します.市区町村を特定しない場合または未収集の場合も,市区町村制度を加算しませんが,補助金0円を意味しません.
非現金特典:ポイント・商品券・現物特典は,公式に確認できる交換率・額面・公表価額による円相当額を経済便益へ算入します.期限内の交換・全額利用をモデル上の仮定とし,現金給付とは区別します.給付形態と公式円相当額は制度欄に表示します.
制度が重なる場合:診断用の併用規則を適用する制度では,明示された併用禁止を除き,未確認の併用は計算上可能と仮定しています.公式に併用可能と確認したことを意味せず,実際の併用・受給を保証するものではありません.それ以外の制度は,既存の確認済み併用条件に従って扱います.予算終了,受付期間,併用可否,住宅・設備条件によって実際の適用額は変わります.未収録または確認日後に更新された制度もあり得るため,申請前に自治体等の公式ページで最新情報を確認してください.
補助金の計算条件・注意事項
公式資料に差がある場合は対象年度,交付主体の資料,公式募集本文の順で適用資料を選びます.現行の公式案内に終了・停止・開始前の明示がない場合は受付継続を仮定します.設置後申請の制度は,対象設置期間と期限を満たし,将来の所定申請期間に申請する前提で算入します.受付表示や利用想定額は,現在の申請可否や交付を保証しません.
蓄電池の容量当たり補助単価が原文でkW表記でも,入力蓄電容量に対応する場合は誤記と仮定し,kWh単価として計算します.原文単位とモデル上の解釈は区別します.特別仕様・認定製品の条件は満たすと仮定し,設置費は標準費用に据え置きます.実際の製品差額は反映しておらず,追加費用が不要と確認された意味ではありません.
診断の利用想定額は,太陽光・蓄電池の導入範囲内で制度条件を満たす仮定による概算です.カーポート新設など,現行診断の対象外となる別工事が必須の制度・申請枠は含めません.入力にない住宅性能・断熱条件等を充足すると仮定して採用する制度は,この対象外の別工事とは区別し,制度欄に条件を示します.性能認定やDR参加の条件,代表価格と通常の設置工事は引き続き計算の前提とします.
受付表示は「受付中/受付対象外/不明」の3区分です.新規申請できる補欠受付も「受付中」と表示しますが,交付には補欠からの繰上げが必要です.利用想定額は交付された場合の額であり,交付を保証しません.制度ごとの対象範囲,条件と公式情報を確認してください.
制度の案内単価・上限と,診断で利用を想定する額は異なります.架台・防水等の未確定の加算は計算せず,0円と確定したものではありません.
埼玉県の蓄電池補助は既存住宅への太陽光・蓄電池導入を対象とし,代表価格の機器費だけを税抜購入費へ対応させ,工事費を除きます.同じ蓄電池費目の市区町村補助を控除した購入費残額と県上限の小さい額を,1万円未満切捨てで算入します.市区町村補助の太陽光分は控除しません.神奈川県の太陽光・蓄電池制度は受付終了のため算入せず,未確定のシステム台数を入力容量から推定しません.
栃木県の太陽光・蓄電池制度は非FIT・非FIPが必須のため,この診断のFIT売電を前提とする収支には含めません.受付中でも,今回の条件で算入できることを意味しません.茨城県の市町村向け財源は,利用者への県の直接補助として重ねて加算しません.
群馬県の事業Aは非FIT・非FIP,事業Bは既設太陽光への蓄電池追加が条件のため,現行診断には算入しません.受付状態とは別に,地域・住宅・設備・容量などの条件から対象外理由を表示します.群馬県・千葉県で市町村の制度情報が未確認の場合,制度がないと判断したものではありません.千葉県の市町村向け財源等は,県から利用者への独立した補助として加算しません.
制度ごとの対象範囲・条件と確認事項
日中在宅状況と自家消費
自家消費率を固定値として置かず,式 (3)~式 (6)により,年間使用量,年間発電量,屋根方位,平日昼間の在宅状況および設備選択から計算します.需要には建築研究所の公式計算エンジンが算出した標準住宅の8760時間需要,発電にはNEDO METPV-20の東京平均年・傾斜角30度・方位別8760時間日射量を使用します(建築研究所,2026;NEDO,年不明).
外部検証条件では,自家消費率37.66641%となり,査読研究の比較値に対する最大相対誤差は16.61%です.許容上限20%以内であり,外部値へ合わせる補正係数は使用していません(エネルギー・資源学会,2025).
| 選択肢 | 生活状況 | 平日昼間在宅率 |
|---|
シナリオ
発電量,屋根方位,自家消費率,導入費用,売電単価,点検費および交換費は,3つのシナリオで共通です.
| シナリオ | 電気料金上昇率 | 補助金 |
|---|---|---|
| 下振れ | 年0% | 含めない |
| 標準 | 年1.5% | 確認できた都道府県・市区町村制度を含める |
| 上振れ | 年3% | 確認できた都道府県・市区町村制度を含める |
補助金は,対象設備容量と制度の計算式を公式情報で確認し,前記の標準条件を満たす前提で算入します(環境省,2026).市区町村制度は対応地域を選択した場合に判定し,算式等が未確定の候補制度は公式URLと要確認事項を表示して金額へ加算しません.入力にない適格条件を充足すると仮定した制度とは区別します.併用の取扱いは,上記「制度が重なる場合」の仮定と制度ごとの規則に従います.標準と上振れの電気料金上昇率は比較用の仮定であり,政府予測ではありません.
収支記事の代表試算
「太陽光の収支は,何で決まる?」の金額の根拠です.全国平均や全家庭の標準額ではなく,東京都の特定条件による比較用の試算です.個別見積価格,将来の利益や費用回収を保証しません.
共通条件と金額
公開データ2026-09-21版の標準シナリオを使用します.東京都,本人所有・本人居住の既存戸建て,太陽光のみ4 kW,南向き,平日昼間にほぼ毎日在宅とし,月間電気料金は未入力時の関東甲信15,467円を用います.この月額は「戸建て・4人以上世帯の地域平均(令和5年度)」です.評価期間は30年,買電料金は年1.5%上昇という比較仮定を置きます.記事見出しの金額は補助金0円とし,診断で算入される東京都補助金840,000円を除いて比較しています.
初年度の電気代削減56,593円/年と売電収入68,946円/年をそれぞれ12で割り,100円単位に丸めると,月約4,700円と月約5,700円です.初年度の月平均であり,毎月同額でも30年間一定でもありません.
設置費は既存住宅の採用値331,100円/kWと4 kWから1,324,400円です.点検38,000円を5・10・15・20・25・30年目に計6回,パワーコンディショナ交換384,000円を20年目に1回置き,維持・交換費は612,000円です.これらは容量によらない固定費として扱います.
30年間の電気代削減2,094,799円と売電収入861,588円から,設置費1,324,400円と維持・交換費612,000円を差し引くと,補助金なしの正味利益は1,019,987円(約102万円)です.突発修理,診断回数を超える交換,撤去・処分,一時撤去・再設置,屋根工事,保険,借入および税金は含みません.
標準蓄電池9.5 kWhを加えると,蓄電池の設備・工事費は1,149,500円,設置費合計は2,473,900円です.同じ条件・補助金0円で,30年間の電気代削減と売電収入の合計4,045,091円から設置費と維持・交換費612,000円を差し引くと,正味利益は959,191円(約96万円)です.30年間交換なし・交換費0円とする既定の保守的な容量劣化仮定を使います.30年寿命や交換不要の保証ではなく,実際の交換には別途費用が必要です.劣化の既定仮定と条件付き比較,時間別需要・発電・自家消費の定義は計算式,費用・売電単価の採用値は採用パラメータを参照してください.
屋根方位と1 kWh当たりの効果の比較
上記の東京都・既存住宅・太陽光のみ4 kW・平日昼ほぼ毎日在宅・月料金未入力の条件を揃え,屋根方位だけを変更します.南向きの初年度発電量は4,686.0452 kWh,東・西向きの設定は3,983.13842 kWhで,差は702.90678 kWh,南向きの85%です.記事では整数に丸めて約4,686/3,983 kWh,約15%の差とします.東・西向きは診断の「東西・不明」区分の共通係数0.85を使用し,東と西を個別に推計した値ではありません.影や住宅固有の傾斜を数量化したものではなく,方位係数は地点別の精密予測ではありません.
初年度に自宅で1 kWh使う効果は,診断の代表買電単価31.21円で概算し,記事では約31円と表示します.東京区域の2023年度低圧実績平均27.1円/kWhに消費税10%と同年度再エネ賦課金1.40円/kWhを加えた採用値です.元の平均は供給区域内の全事業者の販売額を販売電力量で割った値で,基本料金や燃料費調整等を個別に分離していません.個別契約で1 kWh減らしたときの限界的な節約額とは異なり,基本料金自体が自家消費で下がると確認したものではありません.2026年度の賦課金へ置き換えた値でもありません(資源エネルギー庁,2024a,b).
比較するFIT売電価格は,2026年度認定の10 kW未満の住宅用太陽光に適用される,運転開始から1~4年目24円/kWh,5~10年目8.3円/kWhです.当サイトの買電回避額の概算と,国が定める対象制度の買取価格を区別します.実際の買電契約・使用時間帯・売電制度によって比較は変わります(経済産業省,2026).
補助金を除いた家庭比較
記事の家庭A・B比較も,見出しと同じ補助金0円の基準です.太陽光のみの共通条件を使い,平日昼間の在宅状況だけを変えます.診断の標準結果では両家庭とも東京都補助金840,000円を含むため,家庭Aの正味利益1,859,987円と家庭Bの1,782,579円からそれぞれ840,000円を除き,1,019,987円と942,579円として比較します.差額は77,408円です.記事の金額は1万円単位で丸め,約102万円・約94万円,差は約8万円と表示します.
家庭Aは家庭Bより初年度に91 kWh多く自家消費し,売電量がその分減ります.30年間では売電収入が約29,000円少ない一方,電気代削減が約106,000円多くなります.元の標準結果における認定防眩ガラスレス屋根材・出力最適化機器の採用と機能性換算出力を入力容量と同じとする固定仮定は維持し,補助金だけを除外しています.機能性製品の追加費用は設置費へ分離計上していないため,実際の製品・工法・見積額によって収支は変わります.
電気料金と売電先の参照例
実際の買電料金は,1つの単価を全使用量へ掛けるとは限りません.東京電力エナジーパートナー「従量電灯B」の30 A契約を例にすると,基本料金は935.25円/月,電力量料金は最初の120 kWhまで29.80円/kWh,120 kWh超300 kWhまで36.40円/kWh,300 kWh超の部分が40.49円/kWhです.40.49円/kWhを月間使用量の全量へ掛ける計算ではありません(東京電力エナジーパートナー,2026a).
燃料費調整額や再エネ賦課金等が別に加わります.2026年度賦課金の単価・適用期間とFIT期間別の単価は,採用パラメータを参照してください.契約プラン,契約容量,使用量および検針月を分けて確認します.
FIT期間終了後は,電力会社等が提示する条件で売電先を選びます.はれトク診断が11~30年目に置く8.50円/kWhは,東京電力エナジーパートナー「再エネ買取標準プラン」の例です.対象は同社所定の栃木県,群馬県,茨城県,埼玉県,千葉県,東京都の島しょ地域を除く地域,神奈川県,山梨県および静岡県の富士川以東で,FIT満了までの売電先等に応じて手続も異なります.全国共通の卒FIT価格や将来の保証価格ではありません(東京電力エナジーパートナー,2026b).
計算結果を見る際の注意
- 発電量は各都道府県の庁舎所在1 kmメッシュから算定した代表値です.発電量の経年劣化は式 (1a) で反映しますが,屋根の面積・傾斜・影,積雪および機器差は反映していません.方角の入力によって,個別の屋根の傾斜や影が反映されるわけではありません.
- 自家消費は標準住宅と東京平均年の8760時間形状による概算です.個別住宅の断熱,設備,世帯構成,実際の曜日別行動,都道府県別の気象時系列差および実機固有の蓄電池制御は再現していません.
- 標準蓄電池を30年間交換しない取扱いは診断上のモデル仮定です.30年寿命または30年保証を確認した事実ではなく,故障,修理および評価期間後の交換費も収支に含めていません.
- 突発的な故障,撤去,保険,借入および税金は収支に含めていません.補助金の算入条件と併用の取扱いは,上記「制度が重なる場合」と各制度の詳細をご確認ください.
- 売電単価,補助金,点検・交換費は将来の契約や制度を保証する値ではありません.現地調査と正式見積もりで確認してください.
参考文献
- 東京都環境公社(2026)「令和8年度 家庭における太陽光発電導入促進事業」.資料を見る.
- NREL(2024)「PV Lifetime Project - 2024 NREL Annual Report」.資料を見る(参照日:2026年9月18日).
- Huasun(年不明)「HJTモジュール」.資料を見る(参照日:2026年9月18日).
- 太陽光発電協会(年不明d)「設置費用はいくらかかりますか?」.資料を見る(参照日:2026年9月18日).
- 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「MONSOLA-20」(データ期間:2010~2018年).47都道府県の庁舎所在1 kmメッシュ,南向き・傾斜角30度の月別日平均日射量を採用.日射に関するデータベース(参照日:2026年9月18日).
- 環境省(2025)「令和5年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査 地方6-5-1 基本項目別年間エネルギー種別支払金額」.資料を見る(参照日:2026年9月1日).
- 資源エネルギー庁(2024a)「電気料金の全国比較:供給区域ごとの2023年度実績単価」.資料を見る(参照日:2026年9月1日).
- 資源エネルギー庁(2024b)「エネルギー白書2024 電気料金の内訳」.資料を見る(参照日:2026年9月1日).
- 東京電力エナジーパートナー株式会社(2026a)「料金単価表‐電灯」.資料を見る(参照日:2026年9月5日).
- 一般社団法人太陽光発電協会(年不明a)「設置方位や設置角度の影響はありますか?」.資料を見る(参照日:2026年9月1日).
- 株式会社ファナス(年不明)「ソラカルテ 太陽光・蓄電池の概算シミュレーター」.資料を見る(参照日:2026年9月1日).
- 国立研究開発法人建築研究所(2026)「住宅のエネルギー消費性能計算プログラムの公式計算エンジンpyheesおよび第二章第二節一次エネルギー消費量」.資料を見る(参照日:2026年9月4日).
- 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(年不明)「日射に関するデータベース」.資料を見る(参照日:2026年9月1日).
- 一般社団法人エネルギー・資源学会(2025)「太陽光発電の自家消費率などの実態把握―家庭CO2統計の個票データを用いた分析―」.資料を見る(参照日:2026年9月3日).
- 経済産業省 調達価格等算定委員会(2026)「令和8年度以降(2026年度以降)の調達価格等に関する意見」.資料を見る(参照日:2026年9月1日).
- 経済産業省(2026)「再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します」.資料を見る(参照日:2026年9月1日).
- 東京電力エナジーパートナー株式会社(2026b)「再エネ買取標準プラン」.資料を見る(参照日:2026年9月5日).
- 一般社団法人太陽光発電協会(年不明b)「機器の耐用年数はどれくらいですか?」.資料を見る(参照日:2026年9月1日).
- 一般社団法人太陽光発電協会(年不明c)「長く使っていただくために」.資料を見る(参照日:2026年9月5日).
- 京セラ株式会社(2026a)「太陽光発電の設置費用はいくら?」.資料を見る(参照日:2026年9月5日).
- 京セラ株式会社(2026b)「設置工事の流れについて」.資料を見る(参照日:2026年9月5日).
- 環境省(2026)「住宅脱炭素NAVI 全国省エネ住宅支援検索」.資料を見る(参照日:2026年9月1日).
- 経済産業省 資源エネルギー庁(2025)「定置用蓄電システム普及拡大検討会の結果とりまとめ」.資料を見る(参照日:2026年9月4日).
- 経済産業省 資源エネルギー庁(2021)「第4回定置用蓄電システム普及拡大検討会 資料4」.資料を見る(参照日:2026年9月4日).
- オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社(2026a)「KPBP-A マルチ蓄電プラットフォーム カタログ」.資料を見る(参照日:2026年9月5日).
- オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社(2026b)「KPBP-Bシリーズ 蓄電池ユニット仕様」.資料を見る(参照日:2026年9月5日).
停電時の給電時間を比べる条件
災害記事の比較は,停電開始時に取り出せる直流側の電力量を5 kWhと置いた説明用の試算です.製品の公称容量ではなく,開始残量・劣化・保護下限を反映した後の,放電損失前の電力量を仮定します.太陽光からの補充はなく,接続回路・電圧・同時使用及び起動時の出力条件が合うものとします.
片道放電効率は既存モデルの√0.9(約94.87%),設備自身の消費は交流側換算で30 W(0.72 kWh/日)とし,両ケースへ同じように適用します.補機消費は使用時間に比例させます.これらは計算用の仮定で,停電中の実測値ではありません.30 Wはメーカーの待機電力の説明を参考にした仮定です.
全国平均を基準にするケースの家電消費は,環境省の2023年度全国全世帯平均3,911 kWh/年を同年度の366日で換算し,3,911 ÷ 366=10.6857923497 kWh/日とします.これは購入電力量のみで,自宅太陽光の自家消費を含みません.戸建・人数別の平均や,特定季節の実際の負荷ではありません.
家電を絞るケースは上記停電参考線と同じ家電側0.9043979452 kWh/日です.冷蔵庫は263 ÷ 365=0.7205479452 kWh/日,LEDは7.3 W × 2灯 × 6時間 ÷ 1,000=0.0876 kWh/日,スマホは5 Ah × 3.85 V × 4台 ÷ 0.8 ÷ 1,000=0.09625 kWh/日とし,毎日同じ使い方を繰り返す仮定です.スマホの電圧と充電効率は当サイトの仮定です.冷暖房・調理・給湯等を含まず,公的な最低必要量ではありません.
計算式は,使用時間(時間)=5 kWh × √0.9 ÷{(家電消費量(kWh/日)+0.72 kWh/日)÷24時間}です(式 (15)).全国平均を基準にするケースは約9.9811時間,家電を絞るケースは約70.0826時間となり,記事では約10時間・約70時間と表示します.中間値は丸めずに計算しています.
1日分の消費を均した電力量の比較であり,負荷の時間帯や瞬間的な出力を再現していません.実機で連続して使える時間を保証せず,必要な家電の対応と運転条件を別に確認します.停電時の記事へ戻る.
設置・維持費の補足資料
設置・維持費の記事は収支記事へ統合しました.費用の採用値は上の採用パラメータ,交換・容量低下の仮定は計算式の節を参照してください.
費用と保証の読み方
蓄電池の公称容量は電池に蓄えられる名目上の容量,実効容量は製品が定める使用範囲を反映した初期の容量です.実際に家庭で利用できる電力量は,その時点の使用可能容量に充放電効率,保護制御,残量および運転モードが影響します.一方,出力は同時に動かせる機器の大きさに関わります.冷蔵庫を長く動かしたいときは容量,ほかの家電も一緒に使いたいときは出力も確認します.
容量保証の下限,保証期間,メーカーが想定する使用期間およびサイクル期待寿命も分けて確認します.容量保証は所定条件下での下限,サイクル期待寿命は所定試験条件による期待値であり,両者は同じ意味ではありません.診断では,公開された容量保証の下限を参考に,15年後に当初の60%まで蓄えられる量が減る場合を計算します.16~30年目も同じ割合で減ると仮定すると,20年末は約50.6%です.実測値やその期間のメーカー保証ではなく,30年間交換しないことも試算の前提です(オムロン ソーシアルソリューションズ,2026a,b).
20年末に70%・85%残る場合も,比較用の条件として選べます.実際の平均や製品保証ではありません.蓄えられる量が変わると,昼間の電気を夜に回せる量や売る量が変わるため,収支も変わります.いずれも30年間交換なしの仮定です.劣化仮定の計算方法と一次研究を確認し,製品の保証条件とは分けて比較してください.
試算に含めない支出
- 突発的な修理:故障の有無と修理額を一律に置けないため,定期点検と機器交換以外は含めません.
- 屋根工事との調整:屋根の補修・葺き替え時に,パネルの一時撤去や再設置が必要になる場合があります.
- 撤去・処分:故障,建替えまたは屋根工事等で設備を撤去する場合に費用が発生します.
- 保険・借入・税金:契約や利用者の条件によって異なるため,計算へ含めません.